コラム

2019.12.15

手術時の痛み  ~埋没~

手術を受けるかたが気なることの一つが”痛み”だと思います。

可能な限り痛みが軽減できるように努力しておりますが、どうしてもゼロにすることができないのは難しいところです。

実際に痛いのは麻酔の注射の時です。麻酔の注射が終われば痛みはありません。

具体的にどの程度痛いのか、痛みを軽減する工夫などについて記載していきます。麻酔方法はオペにより様々なので今回は埋没について書いていきます。

 

痛みを感じるのは

①針を刺すとき。です。

針を皮膚にさすときにまず”チクッ”と痛みがします。採血のときと同様です。ただこの痛みは針を細くすることで軽減できます。人によっては全く痛くなかったと言われます。当院ではご希望があれば34Gという非常に細い針を使用しております。とても細いので刺す痛みだけでなく内出血も軽減できます。針が細すぎて皮膚が厚い部位には使用困難なこともありますが、瞼の皮膚は薄いので細い針を使用しやすく、刺す痛みを最小限にできます。

 

②麻酔薬が入るとき。です。

麻酔薬が入るときに痛みを感じます。麻酔で痛いのは実はここです。ですのでなるべく痛くないように工夫しております。どんな工夫かというと、まずゆっくり注入することです。注入速度をゆっくりにすることで麻酔薬がゆっくり組織内に入っていくので痛みが軽減できます。先ほど述べた細い34G針にすることで必然的にゆっくりと麻酔薬が注入されるので痛みが軽減できます。次に麻酔量を必要最低限量に抑えること。当然ながら麻酔薬量を多く注入するほど痛みが大きくなるので、麻酔液量は最小限にしています。そのことで腫れも軽減できます。また浅い層に注入すると痛みが強くなるのでなるべく深い場所からゆっくり注入するように気を付けています。

どのくらい痛いのか、ですが、痛みの感じ方は個人差がありますのであくまで参考程度ですが、インフルエンザの予防注射よりも痛くないくらいかな?とお伝えしております。

 

埋没の場合、1か所の針穴に対しては0.05程度しか注入しません。本当にわずかな量です。結膜側は表面よりもしっかり目に注入しますがそれでも両目で1mlも使用しません。

結膜側に麻酔の注射をするとき、結膜が充血しているかたは痛みが強い印象です。ただ麻酔の注射前に点眼麻酔も行っておりますので、全く痛みを感じない方もいらっしゃいます。

 

麻酔の注射をしている時間はわずか数秒程度。他にも工夫していることがありますが、術者ではないとイメージしがたい工夫なので簡単な内容にまとめました。

 

痛みは不快です。私も痛いのは嫌いです。なるべく痛みを軽減できるよう工夫しております。笑気麻酔で痛みを軽減してオペすることも可能ですが、リスクと安全面を考えて埋没では通常笑気麻酔はおこなっておりません。ただ笑気麻酔ご希望の方は使用することも可能です。ただし当院では安全を考えて、笑気麻酔使用時は飲水と飲食時間の制限を設けております。当日ご希望されても行えない可能性がありますので、笑気麻酔ご希望の方は事前に必ずお伝えくださいませ。

 

 

埋没手術を受けることを考えていらっしゃる方、痛みが不安な方は参考にしてくださいませ。

 

 

 

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